妻からの依頼
2003/10/07


検 討



  妻からの相談である。妻は会社で鉄板の曲げ加工を行っているが、曲げる物の素材の展開寸法が客先で計算されたものであり、曲げる時の補正値を知りたいと、言う事である。



  通常板金で物を作る時には設計が図面を書きそれに従って図面を展開しNCパンチングプレス又はレーザー加工を行い、それをベンダーで曲げ加工をする、その時に曲げ補正値が分からないと曲げ加工が出来ない、会社により補正値を経験値で出している所、又は計算により出している会社など色々あり、どちらも優劣を付けられないものである。



  ちなみに私は現役時代には、某会社の生産技術課に在籍し、図面からの製品の展開、NCパンチングプレス及びNCレーザー加工機のNCプログラミングも仕事の一つとして行っていたため、曲げ補正値の計算などは毎日行っていた事である。又妻は会社は違うがベンダーでの曲げ加工を行っておりある面から云えば関係の有る仕事であった。



  鉄板を折り曲げると中立軸(材料の伸縮しない軸)を境に外側は引張りの応力が作用し内側は圧縮をする為にそれを見込んだ曲げ補正値を計算して、板を曲げる時に補正値として入力する必要がある。早い話が中立軸を中心に外側で伸びが発生し内側で縮みが発生すると言う事である。             





対 策



  通常、直角曲げの場合はSPCC 板厚1.0 の場合補正値は○.○○と決まっているのだが、角度曲げ、R付き角度曲げ等、直角曲げ以外は曲げ時の角度と補正値そして斜辺の寸法を計算しないと曲げ加工が出来ない、その寸法が知りたいという事である。



  簡単な一角又は二角曲なら計算を教えれば良いのだが、非常に複雑なものがあり、手計算をするとかなりの時間が掛かり現実的ではなく、もっと手っ取り早く結果を出すためにExcelを選んだ。             



  まず図形描画を使い曲げ図及び入力画面を作成、入力は各寸法、板厚、R曲げの半径、あと中立軸の位置を入力できるようにした。入力寸法に対して関数を使用して角度と斜辺の長さ及び補正値を計算させる。 ついでに製品の展開長も表示できるようにした。             



  曲げ図に対して斜辺の長さ、角度、補正値、展開長がわかるようにしたが、何か物足りない、・・・ 仕事をもっと簡単にするには曲げ順序、バックゲージまでのあて寸法、補正値、角度と工程順が表示出来る様にした。寸法入力後印刷、ばっちりOK、図面の物を全部入力して印刷しこれを見て加工を行えば工程の短縮、品質の向上に貢献出来るはず、一点獲得。



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